技術レポートタイトル

2005.9.15号
 築26年を経過した低層集合住宅の排水立て管更新工事に立ち会う機会を得ました。更新工事に伴い抜管した雑排水立て管および汚水立て管の管内面に付着したスケール・スライムの付着厚さの測定を行いましたので、その結果の一部を報告いたします。

建物概要

住所 千葉県
竣工 築26年(〜昭和54年10月)
建築面積 1.530.75m2
建築戸数 3号棟 69戸 5号棟 38戸 全107戸
構造・規模 3号棟/鉄筋コンクリート造、陸屋根、地上4階建
5号棟/鉄筋コンクリート造、陸屋根、地上2階建
タイプ 4DK(メゾネット):30戸 4LDK:5戸 3DK:19戸 その他:15戸
排水管内 清掃 毎年4月に1回定期清掃を行う。(調査年は行っていない)
調査実施期間 2004年4月〜6月末まで調査を実施

測定箇所


排水立て管システム 更新前

切断面写真

1) 抜管後、A〜H点の8点の付着厚さをノギスで測定した。
2) 全25系統中、10系統を実測した。

測定結果

*前年4月に排水立て管の定期清掃を実施しており、抜管を開始した5月までの13ヶ月間に付着した付着厚さ。

●系統ごとのスケール・スライム付着厚さ




測定系統No. 平均値[mm]
±標準偏差



測定系統No. 平均値[mm]
±標準偏差
@ 4.58 ±0.74 @ 2.33 ±0.73
A 3.69 ±0.72 A 2.00 ±0.72
B 4.90 ±1.31 B 2.17 ±0.43
C 5.86 ±1.20 C 3.19 ±1.56
D 7.84 ±1.76 D 1.60 ±1.85
E 1.29 ±1.12 E 2.47 ±2.13
F 3.41 ±1.59 F 1.56 ±0.00
G 3.96 ±1.59 G 4.59 ±2.38
H 4.96 ±0.00 H 2.72 ±1.33
I 2.60 ±1.20 I 2.05 ±0.92
全体平均 4.31 ±1.29 全体平均 2.47 ±1.35

階数ごとのスケール・スライム付着厚さ ( )内はサンプリング数
雑排水
測定階 平均値[mm]±標準偏差
4F 2.73±2.07(4)
3F 4.08±1.82(13)
2F 4.41±2.31(24)
1F 4.77±1.32(15)
平均 4.31±1.29(56)
汚水排水
測定階 平均値[mm]±標準偏差
4F 3.25±0.00(3)
3F 3.26±1.64(15)
2F 2.28±1.38(22)
1F 2.94±2.05(13)
平均 2.47±1.35(53)
(1)雑排水系統(台所排水を含む) (2)汚水系統

1) 系統ごとに付着厚さに差があるが、雑排水系統(立て管径80A)で平均値の最大は7.84mm、全系統の平均で4.31mmであった。
2) 雑排水系統は調査した10系統のうち、8系統で平均3mm以上の付着を確認した。
3) 汚水系統(立て管径100A)の平均値の最大は4.59mm、全系統の平均で2.47mmであった。
4) 雑排水系統の方が汚水系統より、平均値で2mm程度付着厚さが大きい。
5) 雑排水系統では下層階にいくほど、付着厚さが大きくなる。

謝辞
本研究にあたり、三井住友建設鞄穴ヨ東支店、他関係者の皆様にご協力をいただきましたことを、心より感謝申し上げます。

参考文献
小島誠造・大塚雅之・青井健史・繁田和拡
ストック住宅の排水配管システムの更新工法に関する研究
(その1.排水管の劣化と更新用継手の施工性能)
空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集:2005.8.9〜11(札幌)

関連リンク

排水立て管更新工事 事例報告−その1は、こちら
更新用単管式排水継手 とりかえ〜は、こちら
雑排水系統の 排水管更新には、こちら
改修現場レポート パート2は、こちら
改修現場レポート パート1は、こちら
ご注意! 台所流し横枝管の付着率は、こちら
清掃・点検のためのテクニカルスペース  そうじ し〜なは、こちら
油脂分が付着した 排水管内部の写真は、こちら

技術レポートバックナンバー        Yahoo!

TOP会社概要製品紹介技術レポートダウンロードセンターお問合せご注文