技術レポートタイトル

2002.9.15号
 排水立て管内の排水は、重力の影響を受けて流下とともに流速が速くなり、流速が速くなるほど多量に空気を引き込みます。その結果、上層階では負圧傾向となります。また、排水立て管から排水横主管に移行する部分では排水が急激に方向転換を強いられ、跳水現象が発生して、管内が閉塞されるため、下層階では正圧傾向となります。
 以上の排水通気システムの原理に則らない配管となった場合はどうなるのでしょうか?
 下記に2つのトラブル配管(@伸頂通気管の断面欠損、A排水横主管の逆こう配)の実験結果を報告します。

実験条件

@伸頂通気管の断面欠損 A横主管の逆こう配
供試継手 CP60K 100×80-65(L)
排水立て管径 100A
排水横主管径 125A(LJ-K100×125)
横主管形態 水平2曲がり(2,500mm+2,500mm+2,000mm)
排水負荷 定流量 3.0[l/s]
(9F:3.0[l/s])
定流量 2.5[l/s]+WM3台
(9F:2.5[l/s],8F:WM,7F:WM,6F:WM)
試験方法 HASS218 「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法」に準拠

@伸頂通気管の断面欠損

現象: 上層階のトラップ封水が吸引され破封します。
事例: タケノコ配管となっている場合や凍結・鳥の巣などにより、ベントキャップや伸頂通気管部の大気解放端に断面欠損が発生すると同じ現象がみられます。
Hint : 上層階でトラップ封水が吸引される事故があった場合は、伸頂通気部に何らかのトラブル発生原因の存在が推測できます。


関連リンク
     

ベントキャップの通気抵抗は、こちら
掃兼ベントキャップ KVCは、こちら

A横主管の逆こう配

 現象: 下層階のトラップ封水が吹き上げます。
事例: 地盤の不等沈下等により横主管が逆こう配になった場合には、同じ現象がみられます。
Hint : 下層階でトラップ封水の吹き上げがあった場合は、横主管に何らかのトラブル発生原因の存在が推測できます。


関連リンク
     

排水横主管の曲がりの影響/曲がりまでの距離・管径の違いは、こちら
排水横主管の合流部の流れ (その1)は、こちら
ご注意! 横主管のダッキング配管は、こちら
排水横主管の合流部の流れ(その2) / 鉛直上方合流は、こちら

コンセプトチャート Vol.2

ホームページ開設2周年記念号
 2001年2月15日にアップロードされたコンセプトチャートに、2001年2月28日以降の新しい情報を加えました。
 コンセプトチャートは、単管式排水システムをビジュアルにまとめたものです。
 符号A〜Hをクリックすると別ウインドウが開き、詳細情報をご覧いただくことができます。
 技術レポートバックナンバーにもコンセプトチャートを入れましたので、そちらもご参照ください。

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