技術レポートタイトル

2001.6.15号

 一般に排水立て管から排水横主管に移行する部分では、跳水現象を起こして管内が閉塞され易く、下層階では正圧傾向となります。しかし最下部の排水横枝管と排水横主管との垂直距離(以下、垂直距離Yと称す)が4000mmを超える場合、下層階でも負圧が発生することがあります。このような現象を当社では「ボブスレー現象」と称し、設計・施工上のチェックポイントのひとつとしています。

実験条件

供試継手 CP 60K 100×80−65(L)
立て管径 100A
横主管径 125A (LJ−K100×125)
横主管形態 ストレート 5,000mm
排水負荷 定流量5.0[l/s] (9F:2.5[l/s]、8F:2.5[l/s])
試験方法 HASS218「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法」に準拠

実験結果

ボブスレー現象

 垂直距離Yが6400mmの場合、各階とも最小値が大きく(3Fで約160[Pa])なります。
この原因は減速・旋回流が維持できなくなり、流速が速くなって空気を引き込むからです。また、超高層住宅などでは負荷流量が大きく、排水横主管径が排水立て管径に対して2サイズ以上大きくなるケースもあります。そのような場合で、排水横主管の第一水平曲がりまでの距離が充分に確保でき、かつ垂直距離Yが4000mm以上になると同様な現象が発生し易くなります。
 垂直距離Yが4000mm以上となる場合は、必ず途中に減速用継手をご使用ください。

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