技術レポートタイトル

2007.9.30号
 2007年9月12日〜14日に仙台にて、「平成19年度空気調和・衛生工学会大会」が行われ、戸田建設株式会社,鉄建建設株式会社,株式会社小島製作所,三社の共同研究の、「気圧試験による排水管の漏れ試験方法に関する調査研究」 が発表されました。
 今回は、その発表内容の骨子を報告します。
気圧試験による排水管の漏れ試験方法に関する調査研究
 

満水・気圧試験の試験時間比較検証実験の結果

満水試験 試 験 手 順 気圧試験
32分 準備時間 24分
・横枝管の閉塞
・立て管の閉塞
・仮設給水段取り
・水張り
・水位レベル測定
・横枝管の閉塞
・立て管の閉塞
・気圧試験治具の
設置
・空気加圧
64分 試験保持時間 18分
・試験保持時間
・水位レベル測定
・試験保持時間
・圧力ゲージの計測
20分 復旧時間 10分
・試験水の排水
・テストプラグ取外し
・試験治具の取外し
・閉塞プラグの取外し
113分 合計 52分
(-61分)

CO2削減効果 〔満水試験⇒気圧試験〕

■A棟全体の配管内容積
TYPE
A1A8
A2A7
A3A6
A4A5
戸 数
16
20
22
22
立て管
100
A
9.0
9.0
9.0
9.0
横枝管
/
75
A
0.6
0.6
0.6
0.5
65
A
0.9
1.6
1.1
1.5
50
A
6.8
4.3
6.9
6.0
40
A
3.5
1.0
0.7
0.6
25
HT
0.6
0.3
0.9
1.2
配管内容積 3/戸 0.0934 0.0874 0.0909 0.090
配管内容積 3/type 1.494 1.749 1.999 1.981
TOTAL
7.22

■試験水削減によるCO2削減量
CO2削減量=7.22[m3]×0.57[kgCO2/m3]≒4.12[kgCO2
二酸化炭素換算係数:水道=0.57[kgCO2/m3

※人間一人当たりのCO2排出量を200ml/minとすると、1日当たり568g/日を排出する。A棟の満水試験に要する試験水は、人間一人当たりの約1週間分に値する。

まとめ

竣工後の漏水を回避するためには、排水管の漏れ試験はきわめて重要な試験である。
気圧試験について適切な治具がなく、実質的に実施されることが少なかったが、市販の治具を使用し、その有用性が確認できた。
CO2削減の方策として、気圧試験が有効であることが確認できた。
今回、抽出された課題の解決と、建物用途を問わず実施できる気圧試験治具の開発に努めたい。

●参考文献
戸田建設株式会社 ○岩村多美勇 ・ 小島邦晴
鉄建建設株式会社 近藤 道夫 ・ 菅原善秋
株式会社小島製作所 小島  誠造 ・ 太田喜世司

気圧試験による排水管の漏れ試験方法に関する調査研究
空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集 2007年9月

関連リンク

2005.8.15号 CO削減効果は、こちら
2005.1.31号 満空(気圧)試験の手順は、こちら
2004.1.31号 特許・実用新案 登録なる!満空試験方法及び満空試験治具は、こちら
2002.12.15号 空気圧で漏水の有無を検査します 満空(気圧)試験 研究中は、こちら

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