技術レポートタイトル

2005.8.15号
 満水試験には多量の水が必要です。そして試験後にはその水は廃棄されています。満水試験を満空試験に置き換えることにより、建設現場において水使用量を減らすことができ、CO2排出量削減に貢献できます。
事例研究として、「排水管漏れ試験」を満水試験から満空試験に置き換えた場合のCO2削減量を試算しました。
なお、二酸化炭素換算係数は「ストップ・ザ・温暖化キャンペーン 後援:全国地球温暖化防止活動推進センター 良くある質問集」を参照し、下記のとおりとしました。
二酸化炭素換算係数
電気 0.378 [kgCO2/kWh]
都市ガス 2.11 [kgCO2/m3]
プロパンガス 6.53 [kgCO2/m3]
水道 0.579 [kgCO2/m3]

1住戸の配管例

排水立て管は1住戸当たり3本(汚水・ユーティリティ・台所流し)とし、住戸平面は図@、A、Bの通りとした。

1住戸分を満水試験するのに必要な水量=1住戸分を満空試験に置き換えることによるCO2削減量

●1住戸分を満水試験するのに必要な水量
No,部位 VP管の
近似内径d
[m]
断面積
S=πd2/4
[m2]
試験対象の
配管長[m]
断面積×配管長 容積[m3]
@AB 立て管
(100A)
0.100 0.0078 3×3系統=9 0.0078 × 9 0.0702
@ 大便器
横枝管
(80A)
0.077 0.0046 0.76 0.0046 × 0.76 0.0035
A 雑排水
横枝管
(65A)
0.067 0.0035 1.4 0.0035 × 1.4 0.0049
雑排水
横枝管
(50A)
0.051 0.0020 2.2 0.0020 × 2.2 0.0044
雑排水
横枝管
(40A)
0.040 0.0012 1.6 0.0012 × 1.6 0.0019
B キッチン
横枝管
(50A)
0.051 0.0020 2.1 0.0020 × 2.1 0.0042

 @AB + @ + A + B = 0.0891 [m3]



●1住戸分を満水試験するのに必要な水量=1住戸分を満空試験に置き換えることによるCO2削減量

 二酸化炭素換算係数 : 0.579[kgCO2/m3]
 0.579 [kgCO2/m3] × 0.0891 [m3] = 0.052 [kgCO2]

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