技術レポートタイトル

2003.9.15号
 近年、集合住宅の居住性能が向上するにつれ、室内の静けさに対する要求も高まってきており、遮音性能に対してより高い性能が求められてきています。排水立て管からの排水騒音について、音の伝搬経路として影響が大きいと考えられる床スラブ貫通部からの振動伝達に着目し、貫通部の埋め戻しを複数の方法によって施工し、排水流量と床スラブの振動加速度レベルとの関係について実験を行いましたので、その結果の一部を報告します。

実験配管

 RC造3階建ての躯体と一体構造となっている社屋ベランダを貫通して配管した、当社実験タワーを用いた。スラブ厚は200mmで対象スラブ貫通部以外からの振動伝達を無くすために、排水立て管の固定部分には防振ゴムを挿入し、実験タワーと排水立て管の振動絶縁を施した。

供試継手 CP60K 100×65
排水立て管径 100A
排水横主管径 125A(LJ-K100×125)
横主管形態 水平2曲がり(2,500mm+2,500mm+2,000mm)
排水負荷 定流量 50[l/min],100[l/min],200[l/min]
試験方法 SHASE-S 218 「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法」に準拠


排水実験タワー

立て管貫通部断面図

シール材:シリコーンシーリング材   ロックウール:密度220kg/m3
  

振動実験結果

1. 500Hz以下では暗振動で結果が決まっているが、排水による床スラブ振動は1kHz以上の高周波数域が主体であり、特に4kHz帯域が卓越している。

2. ロックウール+表面シール処理(ケースC)は非接触と同等であり、モルタル埋め戻し(ケースA)に比べ、高周波数域の防振効果が高い。
3. ロックウールを用いても床スラブ表面側にモルタル仕上げを施した場合(ケースF)、モルタルからの振動伝達により床スラブの振動加速度レベルは、対策なし(ケースA)と同程度となっている。
負荷流量 100[l/min] P1点
●引用文献
嶋田泰・安岡博人・塚本幸助・小島誠造・河村憲彦
集合住宅における排水立て管からの伝搬音に関する研究
床スラブ貫通部からの振動伝達に関する実験
日本建築学会大会 学術講演梗概集 2003年9月

嶋田泰・安岡博人・塚本幸助・小島誠造・河村憲彦・馬場敦
集合住宅における排水立て管床貫通部からの振動伝達に関する研究
日本騒音制御工学会 研究発表会講演論文集 2003年9月
関連リンク      
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