2007.11.30号
排水管の更新工事に排水用特殊継手を使用して、排水性能の向上を図ったり、汚水立て管・雑排水立て管を1本にまとめることにより、スペースを確保することができます。 しかし排水横主管が土中に埋設されてしまっているケースでは、排水横主管の更新ができず特殊継手排水システムの大原則である、「排水横主管は排水立て管径に対して1サイズ以上拡径する。」が守れないことになります。
前回は排水横主管形態が100Aのストレート5mで実験検証しました。今回は、立て管2系統を排水横主管100Aに合流し、通気をとった場合ととらない場合の排水性能について比較検証しましたのでその一部を報告します。
実験配管
供試継手 HQ60K 100×65,CP60K 100×65 排水立て管径 100A 排水横主管径 100A(90LL) 横主管形態 下図参照 排水負荷 定流量 1〜4.0[L/s] こう配 1/100 試験方法 SHASE-S 218 「集合住宅の排水立て管システム
の排水能力試験法」に準拠
横主管形態図
実験結果(代表的な例を抜粋)
No. 配管形態 通気条件 負荷流量 [l / s] HQ CP系統 合計 A B C 9F 9F 8F 44 排水横主管
100A
2系統合流閉 閉 - 1.0 2.0 - 3.0 45 1.0 2.5 0.5 4.0 48 open 閉 - 1.0 2.5 0.5 4.0 52 閉 open - 1.0 2.5 0.5 4.0
管内圧力分布図
実験No.44
通気状態 A:閉 B:閉
HQ系統 9F:1.0 = 1.0[L/s] CP系統 9F:2.0 = 2.0[L/s]
合計 3.0[L/s]
管内圧力分布図
実験No.45
通気状態 A:閉 B:閉
HQ系統 9F:1.0 = 1.0[L/s] CP系統 9F:2.5 + 8F:0.5 = 3.0[L/s]
合計 4.0[L/s] 管内圧力分布図
実験No.48
通気状態 A:open B:閉
HQ系統 9F:1.0 = 1.0[L/s] CP系統 9F:2.5 + 8F:0.5 = 3.0[L/s]
合計 4.0[L/s] 管内圧力分布図
実験No.52
通気状態 A:閉 B:open
HQ系統 9F:1.0 = 1.0[L/s] CP系統 9F:2.5 + 8F:0.5 = 3.0[L/s]
合計 4.0[L/s]
ISDN
(639KB)ブロードバンド
(1.2MB)
ISDN
(1.3MB)ブロードバンド
(2.7MB)
考察
排水横主管100Aの系統が2系統合流する場合で、通気をとらない場合の排水性能は上記実験No.44の通り3.0[L/s]と判定できる。排水横主管から通気をとった場合で、図1の組み合わせ負荷では青破線4.0[L/s]まで許容できた。しかし排水負荷は種々の組み合わせとなるため、2系統合流の場合の排水性能も前報通り3.5[L/s]とした。
なお通気の取り出し位置については、図2の通り、排水横主管上であればA,B両者の差はないと判定できる。
図1
図2
2007.11.15号 横主管100Aの許容流量は、こちら
2001.7.15号 排水横主管中の空気の流れは、こちら
2005.8.31号 排水立て管更新工事 事例報告−その1は、こちら