2007.11.15号
排水管の更新工事に排水用特殊継手を使用して、排水性能の向上を図ったり、汚水立て管・雑排水立て管を1本にまとめることにより、スペースを確保することができます。 しかし排水横主管が土中に埋設されてしまっているケースでは、排水横主管の更新ができず特殊継手排水システムの大原則である、「排水横主管は排水立て管径に対して1サイズ以上拡径する。」が守れないことになります。
排水横主管径を100Aとして排水横主管から通気を取った場合の排水性能について検証しましたのでその一部を報告します。
実験配管
供試継手 CP60K 100×65 排水立て管径 100A 排水横主管径 100A(90LL) 横主管形態 ストレート 5000(通気取り出し位置:3ヶ所) 排水負荷 定流量 1〜3.5[L/s] 試験方法 SHASE-S 218 「集合住宅の排水立て管システム
の排水能力試験法」に準拠
実験結果(代表的な例を抜粋)
No. 配管形態 通気条件 負荷流量 [l / s] HQ CP系統 合計 A B C 9F 9F 8F 4 単独系統
ストレート閉 閉 閉 - 2.5 1.0 3.5 10 open 閉 閉 - 2.5 1.0 3.5 16 閉 open 閉 - 2.5 1.0 3.5 22 閉 閉 open - 2.5 1.0 3.5
管内圧力分布図
実験No.4
9F:2.5+8F:1.0=3.5[L/s]
通気状態 A:閉 B:閉 C:閉
管内圧力分布図
実験No.10
9F:2.5+8F:1.0=3.5[L/s]
通気状態 A:open B:閉 C:閉管内圧力分布図
実験No.16
9F:2.5+8F:1.0=3.5[L/s]
通気状態 A:閉 B:open C:閉管内圧力分布図
実験No.22
9F:2.5+8F:1.0=3.5[L/s]
通気状態 A:閉 B:閉 C:open
考察
排水横主管径100A単独ストレート配管での基本性能は、図1の通り、無通気の場合は赤線3.0[L/s]、排水横主管から通気を取った場合は破線3.5[L/s]と判定できる。なお、SHASE-S 206では伸頂通気方式の100A:こう配1/100の許容流量は2.8[L/s]となっている。
通気ありとした場合でも、許容流量は0.5[L/s]増加するのみで、大幅な改善は見られない。通気の取り出し位置については、図2の通り、排水横主管上であれば差はないと判定できる。
図1
図2
2001.7.15号 排水横主管中の空気の流れは、こちら
2005.8.31号 排水立て管更新工事 事例報告−その1は、こちら