技術レポートタイトル

2005.12.15号
 東京都内の超高層住宅にご採用いただいた、HPおよびCPジョイントを用いた単管式排水システムの排水音を測定する機会をいただきました。今回は、HP125システムにおいて負荷流量を5.0[l/s]と10.0[l/s]とした場合の測定結果を報告します。

実験配管

 排水立て管は、管径φ125の塩ビライニング鋼管で、中間継手にはHPジョイントが使用されている。最下階(3階)の排水は、上階の排水系統とは別に配管されている。
各階継手のスラブ埋め戻しは貫通部にロックウールを充填し、その上面をモルタルで30o覆っている。さらに、パイプシャフトは廊下側の共用部に設置されている。
排水系統 仕  様
排水立て管   塩ビライニング鋼管
  保温処理;グラスウール24K
単管式排水継手   HP125A
スラブ貫通部   ロックウール+モルタル30o
パイプシャフト   共用部廊下側に設置
試験方法   SHASE-S 218 「集合住宅の排水立て管システム
  の排水能力試験法」に準拠

測定方法&排水負荷

●測定方法
 計測装置は、普通騒音計(RION NA-29)およびデータレコーダ(RION LR-20AおよびTEAC  RD145T)を使用し、計測箇所はパイプシャフト内とした。マイクロホンの高さは、床から1000oの位置とし、排水時の定常状態における、等価音圧レベル(Leq・測定時間10s、C特性)で、63〜4000Hzの1/1オクターブバンド中心周波数別音圧レベルを測定した。
なお、測定階において上層階の排水が合流するよう到達時間を計測し、器具排水にタイムラグを設けて行うこととし、それぞれ2回づつ測定した。
HP125の測定箇所
測定階 測定箇所 排水器具
4F PS内 浴槽および便器
3F PS内
 
PS内
●排水負荷
 排水負荷は、右表の通りとした。器具平均排水流量は(社)空気調和・衛生設備規準SHASE−S 206に準じて便器を1.5[L/s]、浴槽を1.0[L/s]として器具の負荷台数を算出した。
なお、浴槽はバスタブに60L貯水して排水を行った。
HP125の排水負荷
10.0[l/s]
負荷階 負荷流量 排水器具
25F 10.0[l/s] WC+UB
各1台
24F WC+UB
各1台
23F WC+UB
各1台
22F WC+UB
各1台
HP125の排水負荷
5.0[l/s]
負荷階 負荷流量 排水器具
25F 5.0[l/s] WC+UB
各1台
24F WC+UB
各1台

実験結果

 測定点における排水音の騒音レベルおよびN値を以下に示す。なお、N値とは日本建築学会において建物用途ごとに定めた遮音性能の判断基準である。
 
各測定点における騒音レベル
系統 測定階 測定箇所 騒音レベル N値
WC+UB
10.0[l/s]
4F PS内 43.9 N−45
3F PS内 43.1 N−40
WC+UB
5.0[l/s]
4F PS内 40.6 N−40
3F PS内 39.8 N−40

考察

測定箇所:HP125A 4F PS内 負荷流量:10.0(l/s)
dBA 63Hz 125Hz 250Hz 500Hz 1000Hz 2000Hz 4000Hz
HP125A
10.0(l/s)
43.9 45.5 36.9 44.7 38.6 39.2 36.7 33.8
暗騒音 33.5 47.1 32.6 32.9 31.9 26.7 24.9 21.4
測定箇所:HP125A 4F PS内 負荷流量:5.0(l/s)
dBA 63Hz 125Hz 250Hz 500Hz 1000Hz 2000Hz 4000Hz
HP125A
5.0(l/s)
40.6 45.7 33.0 43.8 35.0 34.2 33.4 30.5
暗騒音 26.5 47.3 26.6 31.0 20.1 13.7 13.8 14.7
●負荷流量が2倍になると騒音レベルで3.3dB増加した。
●CP100A排水システム社内実験(2004.10.15号)で流量が2倍になると騒音レベルが2〜3dB増加することがわかっており、HP125Aシステムにおいてもほぼ同等であることがわかった。

関連リンク

PS内の音圧レベル 排水立て管からの空気伝搬音は、こちら
PSから伝搬する排水音 排水立て管からの空気伝搬音 その2は、こちら
各部位からの放射音 排水立て管からの空気伝搬音 その3は、こちら
排水立て管の遮音対策 排水立て管からの空気伝搬音 その4は、こちら

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