技術レポートタイトル

2004.11.15号
 排水立て管からの空気伝搬音に対する低減対策の例として、立て管および継手にグラスウールや遮音シートを巻いた場合のPS内音圧レベルを測定しましたので、その結果の一部を報告します。

実験配管    

RC造3階建ての躯体と一体構造となっている社屋ベランダを貫通して配管した、当社実験タワー(図−1)を用いた。図−2に示すように集合住宅の住戸内の一般的仕様に合わせてパイプシャフト(以下、PS)を製作した。PSの寸法は300mm×300mm×1800mmとし、壁材はプラスターボード(以下、PB)9.5mm厚を2枚張りとした。 (前回同様)
 立て管および継手には、グラスウール(24[kg/m3],t=25[o])+遮音シート(塩ビ基材,鉄粉入り2.4[kg/m2],t=0.8[o])を巻いた場合と、グラスウールのみを巻いた場合のPS内音圧レベルを測定した。
供試継手 CP60K 100×65
排水立て管径 100A
排水横主管径 125A(LJ-K100×125)
横主管形態 水平2曲がり(2,500mm+2,500mm+2,000mm)
排水負荷 定流量 200[l/min]
試験方法 SHASE-S 218 「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法」に準拠

図−1

図−2
実験結果
排水立て管遮音対策の効果
 立て管および継手にグラスウール+遮音シートを巻いた場合と、グラスウールのみを巻いた場合のPS内音圧レベルを測定した。それぞれ何も巻かない場合の音圧レベルとの差から求めた低減量を右図に示す。
 グラスウール+遮音シート巻きでは、500[Hz]以上で低減効果がみられ、1[kHz]で15[dB]程度、2[kHz]で20[dB]程度の低減効果となっている。
 一方、グラスウールのみでも、1[kHz]で5[dB]程度、2[kHz]で10[dB]程度の低減効果がみられる。
●引用文献
嶋田泰・安岡博人・塚本幸助(三井住友建設)
小島誠造・河村憲彦・馬場敦(小島製作所)
集合住宅の排水立て管からの放射音に関する研究
日本騒音制御工学会研究発表会講演論文集 2004年9月
関連リンク
各部位からの放射音 排水立て管からの空気伝搬音 その3は、こちら
PSから伝搬する排水音 排水立て管からの空気伝搬音 その2は、こちら
PS内の音圧レベル 排水立て管からの空気伝搬音 その1は、こちら
貫通部の埋め戻し方法! 床スラブ貫通部からの振動伝達は、こちら
貫通部からの距離による違い・排水流量による違い床スラブ貫通部からの振動伝達 その2は、こちら

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