技術レポートタイトル

2006.8.15号
 排水が排水立て管から排水横主管に移行する部位では、急激に方向転換を強いられ、いわゆる射流となり、流れが激しく乱れ管内の空気圧力が上昇します。従って、最下階排水を高層階系統の排水立て管に合流するケースでは、横主管の管径、こう配、配管形態によっては、最下階器具トラップの吹き上げのリスクが高くなります。
 HQジョイント100Aを使用した排水システムで最下階排水を高層階系統の排水立て管に合流した場合の実験結果を報告します。

実験配管

供試継手 HQ60S 100×80-65(L)
排水立て管径 100A
排水横主管径 125A(LJ-K100×125),150A(LJ-K100×150)
横主管形態 水平2曲がり(90°LL使用)
(2,000mm+2,500mm+2,500mm)
排水こう配 1/100
排水負荷 定流量 10.5[l/s]
試験方法 SHASE-S 218 「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法」に準拠


HQ60SをLJ-K100×150に直接続した場合、最下階排水横枝管と排水横主管との管芯距離は740oとなります。


第一水平曲がりまでの距離が短いと、排水が暴れて下層階の正圧が高くなります。

実験結果

最下階排水を高層階排水に合流する際のチェックポイント

横主管径は立て管径に対して1サイズ以上拡径させ、こう配と管径により規定されている排水横主管の許容流量が、「許容流量>負荷流量」を満足するように選定して下さい。125A1100):5.1 [l/s]150A1100):8.3 [l/s]
最下階の正圧が高くなる最大の原因は、第一水平曲がりまでの距離です。「許容流量>負荷流量」を満足する場合でも、横主管の配管条件によっては排水立て管径に対して2サイズ拡径して下さい。
具体的には下記の条件@Aを共に満足できない場合は、
2サイズ拡径して下さい。
条件@ 最下階排水横枝管芯と排水横主管芯の垂直距離を600mm以上確保してください。
条件A 排水立て管芯から第一水平曲がり又は合流点までの距離は2500mm以上確保して下さい。
横主管を立て管径に対して2サイズ拡径することにより、最下階の正圧は大幅に改善され、HQジョイント100Aシステムの性能限界である10.5 [l/s]負荷時においても、SHASE-S 218-1999に規定する判定条件(±400 [Pa])を満足します。
排水横主管の配管形態が及ぼす影響については「技術資料2004-05」をご参照ください。

 

 


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