技術レポートタイトル

2003.8.31号
 最近の便器洗浄洗剤は、起泡力が高く、容器から洗浄液を直接かける使用方法のため、使用量にバラツキが生じやすく、場合によっては過剰な濃度となることがあります。排水通気システムにとって洗剤泡は排水管内の空気の流通を阻害する要因であり、洗剤泡が排水管内に充満すると、管内圧力が上昇し器具トラップの吹き上げ事故を誘発します。
 SHASE-S 218付属書"洗剤排水負荷方法"の起泡力測定方法(簡易法)により、便器洗浄洗剤の起泡力を確認するとともに、排水横主管での泡の流下状況を観察しましたのでその一部を報告します。

起泡力実験

SHASE-S 218に示されている「簡易法」を参考に、市販便器洗浄洗剤2社の起泡力を比較しました。

1)直径28o×高さ250oの試験管に試験用洗剤を30cc入れ即時に閉栓する。
2)10秒間に約30回激振した後、試験管立てに静置する。
3)5分後、液泡の境界面から泡上面までの垂直距離を測定する。


簡易起泡力試験状況
便器洗浄洗剤
メーカ表示濃度
10[mL]/1[L]

200[mL]/1[L]
5分後の起泡力 166.3[o] 132.7[o]

起泡力の比較

 「洗濯用の洗剤」と「便器洗浄洗剤」および2003年7月31日にレポートした「洗濯槽クリーナ」の起泡力の比較をしました。排水器具や機器を洗浄する洗剤は起泡力が高く、洗濯洗剤の約3倍の起泡力のものがあります。このような起泡力の高い洗剤が日常的に使用されると下層階での泡の吹き上げ事故を誘発します。マンションなど共同生活においては特にご注意をお願いします。


洗濯洗剤と洗濯槽クリーナとトイレ洗浄剤の起泡力比較

トイレ洗浄剤を使用した場合の排水横主管内の流下状況

●トイレ洗浄剤入り×2台

第1水平曲がり
脚部継手から2500o

横主管開放端
関連リンク      
CP洗剤排水実験データは、こちら
KST適応階数の目安/KST器具排水実験データは、こちら
洗濯排水の起泡力は、こちら
ご注意!洗濯槽クリーナの起泡力は、こちら

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