技術レポートタイトル

2001.9.15号
 住戸に設置される洗濯機からの排水は、比重の軽い「泡」を含んでいるため、排水管内の空気の動きの影響を受けて、配管条件によっては下層階で泡を吹き上げる事故を誘発します。
 HASS218-1999「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法」には、付属書として「洗剤排水負荷方法」が規定されました。本付属書には洗剤排水を含めた排水能力までは言及していませんが、起泡力を指標とした洗剤排水の種類と負荷方法が規定されています。
 HASS218-1999を参考にして、市販のコンパクト洗剤を使用し、標準濃度の場合および疑似汚れを添加した場合の起泡力と、それぞれを排水立て管システムに負荷した場合の管内圧力分布、並びにその時の排水横主管内の泡の状況を当社排水実験タワーで検証しましたので、その一部を報告します。

起泡力試験

HASS218-1999に示されている「簡易法」を参考に、市販洗剤を用いて
  @「標準濃度」
  A「標準濃度+サラダ油2g添加」
  B「調整濃度(清水30[l]に洗剤6[g])」
の3種類の洗剤排水の起泡力を比較した。

1)直径28o×高さ250oの試験管に試験用洗剤排水を30ml入れ即時に閉栓する。

2)10秒間に約30回激振した後、試験管立てに静置する。

3)5分後、液泡の境界面から泡上面までの垂直距離を測定する。

左試験管 : @「標準濃度」
右試験管 : A「標準濃度+サラダ油2g添加」
起泡力の比較
単位:mm
標準濃度 サラダ油2g添加 調整濃度
泡高さ 100 86.7 82.3
分離境界面 57.7 59.7 57.7
起泡力 42.3 27 24.6

*1  洗剤はK社製のコンパクト洗剤を使用。
*2  標準濃度はメーカ表示濃度(実際に洗濯をした後の排水ではありません!)
*3  標準汚れ「オレイン酸トリグリセライド」の代用としてサラダ油を使用。
*4  調整濃度は、清水30[l]に市販洗剤6[g]とした。
*5 試験当日の 室温:24゚c 水温:25゚c

管内圧力分布

 HASS218-1999に準拠し「CP排水システム」に前記の@「標準濃度」A「標準濃度+サラダ油2g添加」の2種類の洗剤排水を負荷した時の、各階の管内圧力を測定しました。
供試継手 CP60K 100×80-65(L)
脚部継手 LJ-K 100×125
排水横主管 水平2曲がり7m(2500mm+2500mm+2000mm)
排水負荷 洗濯機4台(@「標準濃度」A「標準濃度+サラダ油2g添加」の2種類)


上:@標準濃度

下:A標準濃度+サラダ油2g添加
洗剤排水の違いで、排水横主管内の泡の流下状況がどう違うかが「動画」でご覧いただけます。(0.4MB)

関連リンク

CP洗剤排水実験データは、こちら
横主管の曲がりの影響/曲がりまでの距離・管径の違いは、こちら
排水横主管の合流部の流れ その1は、こちら

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