2003.7.31号
洗濯機の内側、特に洗濯槽の裏側は湿気が溜まりやすく、洗濯洗剤の溶けかすやゴミなどが付着し、アレルギー性皮膚炎の原因となるカビなどが発生しやすいとのことです。最近では洗濯槽クリーナがいくつも販売されていますが、これらの洗剤は洗濯洗剤に比べて洗剤の使用量も多く、起泡力も大きいとのことです。洗剤泡が排水管内に充満すると、管内の空気の流通を阻害し、管内圧力が急激に上昇して、器具トラップから吹き上げる事故を誘発します。
SHASE-S 218付属書"洗剤排水負荷方法"の起泡力測定方法(簡易法)により、市販の洗濯槽クリーナーの起泡力を確認しましたのでその一部を報告します。
起泡力実験
SHASE-S 218に示されている「簡易法」を参考に、市販洗濯槽クリーナ3社&市販洗濯洗剤1社の起泡力を比較しました。
1)直径28o×高さ250oの試験管に試験用洗剤を30ml入れ即時に閉栓する。
2)10秒間に約30回激振した後、試験管立てに静置する。
3)5分後、液泡の境界面から泡上面までの垂直距離を測定する。
起泡力の比較
単位:mm
洗濯洗剤 洗濯槽クリーナ メーカ表示濃度 イ
20[g]/30[L]ロ
320[g]/30[L]ハ
400[g]/30[L]ニ
180[g]/30[L]5分後の起泡力 52.7 168.3 74.7 64.3 5分後の写真
(ロ写真)※試験当日の 水温:23゚c
●洗剤泡は排水通気システムにとってはトラブル因子のひとつです。特にマンションでは1本の排水立て管に複数の器具が接続されますので、同時排水の確率も高くなります。起泡力の高い洗剤にはご注意ください。
CP洗剤排水実験データは、こちら
KST適応階数の目安/KST器具排水実験データは、こちら
洗濯排水の起泡力は、こちら