2003.6.30号
大便器が連設されるオフィスビルの排水通気システムには、排水立て管と通気立て管およびループ通気管を設備したループ通気方式(通称:二管式)が多く採用されてきました。集合住宅に比べ天井高やパイプスーペースに余裕があるオフィスビルにおいても、排水管の更新時には高性能で納まりのよい排水通気システムが望まれます。設計用許容流量が大きく高性能なHPジョイントを使用し、ループ通気管をHPジョイントに回路させる「HPループ単管式」は、通気立て管を省略することができ、排水通気システムの更新には好適です。
ループ通気管を設けない場合の大便器の封水挙動や、大便器の排水に伴って発生するループ通気管内の空気の動きを実験により確認いたしましたので、その一部を報告します。
HPジョイントを使用した排水通気システムの概念図
概念図 システムA システムB
通気立て管・ループ通気管
を省略した伸頂通気方式
ループ通気管をHPジョイント
に回路させた伸頂通気方式設計用
許容流量100A 12.0[l/s] 16.0[l/s] 125A 18.0[l/s] 24.0[l/s]
ループ通気管の効果
●実験配管
HP単管式 HPループ単管式 ・負荷の与え方
●実験方法
・ループ通気管が無い場合に、1本の100A横枝管に何台まで器具同時排水が許容できるかを検証しました。
・連設した5台の大便器のうち、4台を排水し、流していない便器での封水損失を測定します。
●実験結果
・封水損失比較データ
・ループ通気管内の風速
・ループ通気管内の風向き (途中で風向きが逆転します。)
・同時排水器具数の目安
横 枝 管 種 管径 HP単管式 HPループ単管式 大 便 器 横 枝 管 100A 3台まで 3台を超える場合 小便器および雑排水横枝管 80A 4台まで 4台を超える場合
引用文献
大塚 雅之 ・ 小島 誠造 ・ 陳 玉芳 ・ 田島 重樹
高層事務所ビルにおける特殊継手排水システムに関する実験研究
(その1 現場排水性能実験について)
空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集{1995.10.2〜10.4(広島)}
超高層住宅には HIGH POWERなHPジョイントは、こちら
改修現場レポート パート1は、こちら
改修現場レポート パート2は、こちら