2001.6.30号
排水立て管基部近くの排水横主管では、通常の非圧送流れではなく、いわゆる射流になることから、この区域に曲がりを設けると加速された流れが衝突し、管内の圧力が著しく上昇します。このためHASS206-2000では排水立て管の底部から3m程度の直線距離を確保し、加速流れを緩和させたうえで曲がりを設けるものとしています。当社の排水実験タワーにおいて、立て管基部からの距離(2.5m・3.0m・3.5m・4.5m・6.0m)ごとの平均流速と平均流水深を測定しましたので、その一部を報告します。
実験条件
供試脚部継手 | LJ−K 100×125 | |||
立て管径 | 100A | |||
横主管径 | 125A, 150A | |||
横主管形態 | ストレート 10m | |||
計測位置 | 2.5m, 3.0m, 3.5m, 4.5m, 6.0m | |||
排水負荷 | 定流量4.0[l/s] (9F:2.5[l/s]、8F:1.5[l/s]) 定流量6.0[l/s] (9F:2.5[l/s]、8F:2.5[l/s]、7F:1.0[l/s]) |
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試験方法 | HASS218「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法」に準拠 |
実験結果
横主管(125A)の流下状況(動画) |
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・負荷流量と平均流速の関係
1) 流量の増加に伴い流速は増加する。
2) 排水横主管径125mmの方が150mmに比べ、10%〜15%ほど流れが速い。
・距離と平均流速の関係
3) 立て管中心からの距離が離れるにつれて流速が減少する。
4) 排水横主管径125mmでは距離4.5mまでは流速が急激に減少していく。
5) 排水横主管径150mmでは流速の減少は緩やかである。
・距離と平均流水深の関係
6) 排水立て管からの距離が離れるにつれて流水深は深くなる。
7) 排水横主管径125mmでは排水立て管の中心からの距離が3.5m以上離れると流水深 の上昇が鈍化する。
HASS規格にも示されているとおり、排水横主管の配管形態は排水立て管システムの排水能力に影響を及ぼします。排水通気システムの設計・施工に関しては、既報の下記技術レポートおよび当社技術資料をご参照のうえ、排水横主管の配管形態に特にご注意願います。
排水横主管の曲がりの影響は、こちら
排水横主管の合流部の流れは、こちら
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