技術レポートタイトル

2004.12.15号
 古川テクノマテリアル殿と共同で、CPジョイント用の防火防音措置材”ヒートメルサイレンスC”を開発しました。
 材質は膨張剤を添加したポリウレタン系発泡剤を使用しているため、火災時に膨張し貫通孔を閉塞、隣室への火災拡大を防止します。防火性能については、国土交通大臣認定と日本消防設備安全センターの防災性能評定を取得しています(古川テクノマテリアル「ヒートメル−サイレンス」で取得)。
 ヒートメルサイレンスCPを巻いてスラブにモルタルで埋め戻した場合と、CPジョイントを直にモルタルで埋め戻した場合の、床スラブへの振動伝達の差を実験により確認しましたのでその一部を報告します。



ヒートメルサイレンスCP仕様

ヒートメルを継手に巻く

実験配管

 RC造3階建ての躯体と一体構造となっている社屋ベランダを貫通して配管した、当社実験タワーを用いた。スラブ厚は200mmで対象スラブ貫通部以外からの振動伝達を無くすために、排水立て管の固定部分には防振ゴムを挿入し、実験タワーと排水立て管の振動絶縁を施した。

供試継手 CP60K 100×65
排水立て管径 100A
排水横主管径 125A(LJ-K100×125)
横主管形態 水平2曲がり(2,500mm+2,500mm+2,000mm)
排水負荷 定流量 200[l/min],400[l/min]
試験方法 SHASE-S 218 「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法」に準拠


排水実験タワー

立て管貫通部断面図

  

振動実験結果

●排水による床スラブ振動は1kHz以上の高周波数域が主体であり、特に4k[Hz]帯域が卓越している。
 これは実際の居室内で発生する排水音は一般的に高音域が対象となることにも合致している。

・ヒートメルサイレンスCPを巻くことにより負荷流量200,400[l/min]ともに、1k,2k,4k[Hz]の振動加速度レベルが大幅に低減している。
●引用文献
嶋田泰・安岡博人・塚本幸助・小島誠造・河村憲彦
集合住宅における排水立て管からの伝搬音に関する研究
床スラブ貫通部からの振動伝達に関する実験
日本建築学会大会 学術講演梗概集 2003年9月

嶋田泰・安岡博人・塚本幸助・小島誠造・河村憲彦・馬場敦
集合住宅における排水立て管床貫通部からの振動伝達に関する研究
日本騒音制御工学会 研究発表会講演論文集 2003年9月

価格

 セット内容は、@矩形A扇形B三日月C横枝管の管底部D粘着シールの5つです(ハサミは付属いたしません)。継手に合わせたピースにより、施工が容易で作業性が良い。
 工場での巻き付けをご希望の場合は、別途巻き付け施工費が必要となります。

ヒートメルサイレンスCPの巻き方(PDF)
関連リンク
貫通部からの距離による違い・排水流量による違い 床スラブ貫通部からの振動伝達 その2は、こちら
貫通部の埋め戻し方法! 床スラブ貫通部からの振動伝達は、こちら

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