技術レポートタイトル

2003.5.15号
 世界保健機関(WHO)は新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)の5月12日午後5時(日本時間13日午前零時)現在の世界まとめを発表しました。死者は中国と香港を中心に552人に上り、可能性例を含む感染者は7447人、死亡率も7.4%に達したとのことでした。
 SARS感染ルートのひとつに集合住宅の排水管が指摘されています。日常生活ではあまり意識することのない排水管ですが、この機会にあらためて排水通気系統の重要性を認識する必要があると思います。
 室内と排水管内の空気を遮断しているのは、排水器具に設置されているトラップの封水のみです。排水が流下することによって発生する管内空気圧力変動により、トラップ封水はたえず昇降を繰り返し、過度の圧力変動が発生すると「とりで」である封水が破られ、下水道管からの悪臭や害虫、場合によってはSARSのようなウイルスが室内に流入することになります。排水管内の圧力変動を抑制するには、適切な通気配管を設けることが必須となります。特殊継手排水システムにおいては、大気から空気を取り入れる口は伸頂通気管開放端のみです。この部位が鳥の巣や凍結などにより断面欠損を起こすと排水管内の圧力はどのようになるか? 当社実験タワーで確認いたしましたので、その結果の一部を報告します。

管内圧力分布とトラップ封水の挙動と損失

●伸頂通気部にKVCを取り付けた場合


上記のKVCを取り付けた場合のトラップ封水の挙動が
動画で
ご覧いただけます。
ISDN,アナログ
(260KB)
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(1.3MB)

ご注意
動画をご覧になる際、データのダウンロードが完全でないと、
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ダウンロードが完了するまでお待ち下さい。

●伸頂通気部断面欠損75%の場合


上記の断面欠損75%の場合のトラップ封水の挙動が
動画で
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ISDN,アナログ
(260KB)
ブロードバンド
(1.3MB)

ご注意
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●伸頂通気部断面欠損100%の場合


上記の断面欠損100%の場合のトラップ封水の挙動が
動画で
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(170KB)
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(0.8MB)

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●HASS206-2000では、「伸頂通気管の管径は、排水立て管の管径より小さくしてはならない。」と規定されています。本実験でも伸頂通気管開放端の断面を欠損(縮径)させると、上層階の負圧が大きくなっていくのが判ります。負荷流量が増加すればその差はもっと顕著に現れます。特に、伸頂通気方式の場合にはご注意下さい。
関連リンク      
大気開放端は空気の取入口 ベントキャップの通気抵抗は、こちら
どう対処する? 上層階のオフセットは、こちら
掃兼ベントキャップ KVCは、こちら
伸頂通気管の重要性 伸頂通気管は大気に開口を!は、こちら

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