2013.10.15号
耐火試験後のS型モエナイン (延焼防止材)
スラブ下セッタ用の全ねじボルト径について
昨年末、笹子トンネルの天井板崩落事故でアンカーボルト(事故現場はケミカルアンカー)の引抜強度不足が指摘され、いろいろな産業分野でアンカー強度の注意が喚起されたことは記憶に新しいところです。
当社では、以前よりフェールセーフの観点から、スラブ下セッタ用の全ねじボルト径をW1/2(又はM12)で設計しております。以下の解説をご参考下さい。
解説
1.使用されるアンカーが、めねじ形の後施工金属拡張アンカー(M6〜M12)の場合、長期許容引き抜き力は0.5[kN](約50[kgf])
注1)で、比較的信頼性が低いアンカーと言われています。当社では、このアンカーを使用した2本吊りの場合の許容引き抜き力1[kN](約100[kgf])を1個のスラブ下セッタに係る許容値として設計しています。
注1)建築設備耐震設計・施工指針 2005年度版 (財)日本建築センター
2.アンカー製造各社の同製品の引っ張り最大荷重は、明らかにW3/8(M10)よりもW1/2(M12)の方が優っていることから、W1/2(M12)を採用しています。
3.(財)日本消防設備安全センター評定(KK24-014)では、アンカー、ボルト、ナットのねじ径がW3/8〜W1/2またはM10〜M12と幅を持たせてありますが、おねじ形の後施工金属拡張アンカー或いは先施工インサートを使用される場合に限りW3/8(またはM10)のご使用が可能です。
おねじ形の後施工金属拡張アンカー或いは先施工インサートは、めねじ形のそれと比べ、許容引き抜き力が大きく信頼性が高いと評価されています。
お願い
スラブ下セッタをW3/8(またはM10)の全ねじボルトで吊る場合は、必ずW3/8(またはM10)の座金を使用して下さい。座金なしでナットを締め付けると施工不良になる場合があります。