技術レポートタイトル

2001.3.15号
 排水システムは、HASS206-2000定常流量法により決定します。定常流量法では、排水管に実際に流れると予想される流量(負荷流量Q)を求めて、それよりも大きい許容流量を有する排水システムを選定します。負荷流量Qを求めるには、器具平均排水流量qdと排水管の定常流量 の二つのデータが必要となります。qd が定まれば、負荷流量読み取り線図 図1-1,1-2により、負荷流量Qと適応可能な排水システムは決定できます。

排水システム決定手順

下記の要領にて、適応可能な排水システム(排水立て管と排水横主管の径)を求めることができます。

@
器具排水量 w
表1-1より各器具のwを決める
A
器具平均排水間隔 T0
表1-1より各器具のT0を決める
B
器具定常流量 
器具1個当たりの
=w/T0 を計算する
C
管定常流量 
計算部位における器具の種類と設置個数から管定常流量 を計算する
D
代表器具の器具平均排水流量を選択 qd
表1-1から各器具のdを求め、その系を代表するdを選択する
E
負荷流量 Q
適応可能な排水システム
負荷流量読み取り線図 図1-1,1-2により、dをパラメーターとして からQを求め、
負荷流量Q<許容流量Q
となる排水システムを選定する。

負荷算定用データ

表1-1 住宅排水器具の負荷算定の参考値
No.器具名 器具特性 使用頻度 1器具あたり
定常流量
=(w/T0)[l/s]
排水率β
器 具
排水量
w[l]
器具平均
排水流量
d[l/s]
器具平均
排水間隔
0[s]
 1.便  器 9   1.5 700    0.013 1.0
 2.洗 面 器 6   0.75 700    0.009 1.0
 3.台所流し 6   0.75 200    0.03 1.0
 4.浴  槽 180   1.0 3600    0.05 0.3
 5.洗 濯 機 120   0.75 3600    0.033 0.5
 6.手洗い器 3   0.3 700    0.004 1.0
 7.スロップシンク 10   0.75 3600    0.003 1.0

計算部位における器具の種類と設置個数(N)から管定常流量 を計算します。
=(×N)×β+・・・・・+(×N)×β
:1器具あたりの定常流量(w/T0)  N:接続される器具数  β:排水率

※器具特性が表1-1住宅排水器具の負荷算定の参考値と異なる場合もありますので、器具メーカーにお問合わせ下さい。

負荷流量読み取り線図

図1-1 排水立て管:ブランチ間隔数N≧3 図1-2 排水横主管
弊社 技術資料2000年9月版 P15 より抜粋
これは便利! 負荷流量早わかりのご提供
負荷流量読み取り線図 (図1-1,図1-2)よりqdをパラメータとして から、負荷流量Qを読み取ります。当社では各階に同じ器具が設置された場合の、器具組み合わせ別、階数別の負荷流量Qを一覧表(エクセル)にしてご提供しております。
負荷流量早わかりはこちら

なお、負荷流量早わかりは印刷物としてもご提供しております。ご希望の方はe-mailでお申し込みください。

コア排水立て管システムの設計用許容流量値

高さ相当[m] 18 30 45 75 105 135 165
適応階数[階] 10 11 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60
CPシリーズ 100A 6.8 6.8 6.8 6.8 6.5 6.2 6.0 5.8 5.7 5.6 5.5 5.4
80A 3.5 3.0 2.5 2.5
KSTシリーズ 100A 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5
80A 2.5 2.5 2.5 2.5
HPシリーズ 100A 10.3 10.3 9.7 9.3 9.0 8.7 8.5 8.4 8.2 8.1 8.0 7.9
125A 16.0 16.0 15.0 14.4 13.9 13.5 13.2 12.9 12.7 12.5 12.3 12.1
表1-2 コア排水立て管システムの許容流量値

※設計用許容流量値は実験結果をもとに表1-2のように決定しています。

ご注意
配管長が長くなると(階数が高くなる)最大負圧が大きくなり、トラップの封水を引き込みます。ご採用される現場(階数)に適応した設計用許容流量値を選択して下さい。

排水横主管の設計用許容流量値

排水横主管の許容流量は、HASS206-2000では伸頂通気方式の場合、管内上部に通気のためのスペースを確保するため、半流を許容流量とすることにしています。しかし管径が大きくなりすぎると流水深が浅くなり、搬送能力が低下します。コア排水システムではマニングの流量公式を用いて、まず計算上の許容流量値を算出します。さらに性能実験で得た結果(知見)を加え、実状にあった設計用許容流量値を表1-3のように決めています。弊社では、性能規定化への対応をいち早く取り入れました。

表1-3 排水横主管の許容流量値
管径(A) こう配 設計用許容流量値[l/s]
100
(立て管80A専用)
1/100 26,000×0.5×(1/100)1/2×(0.100)8/3 2.8
125 1/100 26,000×0.5×(1/100)1/2×(0.125)8/3 5.1
150 1/100 26,000×0.5×(1/100)1/2×(0.150)8/3 8.3
※ 200 1/125 26,000×0.65×(1/125)1/2×(0.200)8/320.7
※ 250 1/125 26,000×0.65×(1/125)1/2×(0.250)8/337.5
=26,000・(50%)・δ1/2・D8/3  :設計用許容流量値[l/s]  δ:管のこう配  D:管の内径[m] 
※管径200A・250Aについてはこう配を1/125とし、充水率を65%にて算定しました。

そうじ し〜 パンフレット発行!

 ご要望の方はe-mailでお申し込み下さい。

コア排水システムコンセプトチャート 紹介

ホームページ開設1周年記念号
 コンセプトチャートを使って、一年間の技術レポートを部位ごと体系的に整理いたしました。符号A〜Hをクリックすると別ウインドウが開き、詳細情報をご覧いただくことができます。
 技術レポートバックナンバーにもコンセプトチャートを入れましたので、そちらもご参照ください。

コンセプトチャートはこちら

技術レポートバックナンバー        Yahoo!

TOP会社概要製品紹介技術レポートお問合せご注文